17 Etudes

for piano, keyboard and video (2017)

INSTRUMENTATION

Piano, Keyboard, electronics(movie)


DETAILS

Duration

40'


Last performance

21 March 2019


First performance

05 February 2018

performed by Takumi Nashimoto 

at Koen-Dori Classics in Tokyo Japan

作曲・映像・編集・撮影・演奏: 高橋宏治 

一名の鍵盤奏者(Piano, Keyboard)と、max/jitterによる映像操作(一名)によって演奏される。2018年2月5日に、梨本卓幹氏による演奏、作曲者本人による映像操作により初演された。2019年に、川口成彦氏により再演(抜粋)された。



I. 素早く動くための (ネズミのように) “Move Quickly (like a mouse)” Keyboardのための作品。

Keyboardから送られたMIDI信号に映像が反応し、送られた信号の数だけ映像が進む仕組みになっている。



II. 時間を止めるための “Stop Time” 楽譜におけるフェルマータによる表現と、映像の停止を組み合わせた作品。時間の経過を表したアルペジオが繰り返される中、突如異質な和音が現れ、時間を止める。



III. 時間を戻すための “Reverse”

ピアノの鍵盤88鍵が、そのまま時間軸となっており、低音(過去)→高音(未来)となっている。



IV. 重々しさのための “Pesante”

あからさまな”Pesante (重々しく)”の楽想の中、それをより強調させるかのように、ビデオの早送りのようなパッージが挟みこまれる。



V. 模倣のための “Imitate”

J.S.Bach作曲の無伴奏チェロ組曲第1番の”Prelude”、平均律第一巻第1番の“Prelude”のように、同じパッセージが、二度ずつ繰り返される。映像では、音楽に合わせて女性の動きを男性が模倣する。




VI. 数を数えるための “Count”

Keyboardのための作品。4つの言語(英語、日本語、スペイン語、デンマーク語)で数を数え続ける音楽。前半部分では、Eの音には英語、B♭の音には日本語、C#にはデンマーク語、Gにはスペイン語を当てはめている。中間部分では、a-minorの和声的短音階には、日本語→デンマーク語→スペイン語の順で数えられる数字を当てはめおり、その中にa-minorにとっては異質である、B♭が入りこんでくるが、これには英語が当てはめられている。



VII. 光のための “Light” ピアノによって奏される和音の連打のダイナミクスに合わせて、映像のハイライトや白レベルが増減する。



VIII. 拡大・縮小のための “Zoom In / Out”

ピアノのグリッサンド奏法と、望遠レンズによるzoomを、シンクロさせた作品。ピアニストが、左右の手を鍵盤の中心から外側へ移動する際は、映像の中の男性が拡大し、内側へ戻る際は縮小する。



IX. 焦点を合わすための “Focus” 協和音である長三和音が力強く奏される度に、様々なポイントで焦点が合う。



X. 階段を上り続けるための “Stairs Forever” ハ長調の音階と、変ト長の五音音階が、ピアノにより同時に奏される。それに合わせて、階段を上る映像が、ループ再生され続けられる。



XI. 曖昧さのための “Subtle”

一人で演奏する二台のKeyboardのための作品。一台は440hzに調律され、もう一台はそれより1/4低く調律されている。その2台のKeyboardから交互に送られる信号によって、映像の男性と女性の濃淡がコントロールされている。



 

XII. 時間を遅らせるための “Delay” 一人で演奏する二台のKeyboardのための作品。一種のカノンとも考えられる。一つの旋律が繰り返される中、最大4声部に渡る“ずれ”が生まれる。それに合わせて、映像の中の私も最大4人まで増殖する。



XIII. 鏡 “Mirror”

一人で演奏する二台のKeyboardのための作品。反転、および逆行形のテクニックにより、音楽的にも常に鏡像が生まれる仕組みになっている。



XIV. 自主規制のための “Censor Bleep”

Keyboardのための作品。ハ短調におけるぜクエンツが繰り返される中、それにとって異質な音であるEとBの音が、不規則に挟み込まれる。それに合わせて、映像の中の男性にモザイクがかかる。




XV. コントラストのための “Contrast”

長調と短調、朝と夜のコントラストを組み合わせた作品。長調の時は朝、短調の時は夜となっている。



XVI. 色彩のための “Color”

息の長い旋律によるカノン。結果的に、少しずつハーモニーが変化する和声的な音楽になっている。ハーモニ-から感じる色彩を、水の中に落ちていく絵の具とシンクロさせた。



XVII. 繰り返しのための “Repeat”

約五分間のワンカットの映像を72の短い断片に分け、それらを、楽曲制作時に決定していたカット割りに当てはめるという方法で作成された。





《17 Etudes 》Piano × Dance17曲の練習曲とその振付 (2020)

高橋宏治が2017年に発表した17のピアノ練習曲[17Etudes]は当初映像と音楽のために作られた作品ですが、今回は17の楽曲が持つそれぞれ異なるテーマを元に振り付けをしました。

演奏は多くの受賞歴を誇るピアニスト宮里倫史、振付・出演はベルギー・ブリュッセルにあるコンテンポラリーダンスの名門P.A.R.T.S.(パーツ)を卒業したダンサー仁田晶凱で上演します。

期待の若手により作り上げられた本作。音楽とダンスのプリミティブなつながりを追求した作品となっています。